違憲判決とは・・・
読んで字のごとく、憲法に違反してますよ~っていう判決のことです。
憲法は最高法規なので、憲法より下っ端の「法律」とか「命令」とかは
憲法に違反することは許されません
さて、「尊属殺重罰規定違憲判決」というものがあります。
O事務所のO先生が1番好きな違憲判決だそうです。
<事件の概要>
昭和43年、29才の女性(A)が実の父親(B)を殺害する事件が起きました。
実は、Aさんは14歳の頃から実父であるBに性的虐待を受け続けていました。
Bの子供を数人産まされ、数回の中絶も行い、想像を絶する虐待でした。
そんな絶望の人生を歩んでいたAさんに、結婚したいと思う男性が現れましたが、
それを知ったBの虐待はますますひどくなり、思いあまったAさんは、
ついにBを殺害してしまったのです。
そして、Aさんは殺人罪に問われました。
当時は、親を殺害することは普通の殺人よりもずっと重い罪でした。
(旧刑法200条 自己または配偶者の直系尊属を殺した者は死刑または無期懲役に処する)
ちなみに普通殺人の場合は
(刑法199条 人を殺した者は死刑又は無期若しくは三年以上の懲役(現在は五年)に処する)
Aさんは父親を殺してしまったわけですから刑法200条が適用されてしまいました。
とすると死刑か無期懲役しかないのです。
情状酌量が認められて減軽(刑法66条)された場合でも、執行猶予はつかず実刑。
とても不条理です・・・。
この事件でAさんを弁護した弁護士さんは大貫大八弁護士といいます。
Aさんの経済力では私選弁護人は難しく、国選弁護人になる可能性が高かったらしいのですが、
大貫大八弁護士は、国選弁護人だと、裁判が1審→2審→3審ごとに弁護士が違ってくるので、
一貫した主張が出来ないだろうと判断し、Aさんの弁護を引き受けられました。
無償で!!
大貫大八弁護士は、かわいそうなAさんを何としても救ってあげたいと思い、とても頑張られました。
刑法200条がある限り執行猶予はムリなので、刑法200条そのものが
憲法14条(法の下の平等)に違反しているとして争いました。
大貫大八弁護士は、最高裁判所まで持ちこみましたが、病に倒れてしまいましたので、
息子さんである大貫正一弁護士が跡を継ぎます。
そして昭和48年4月4日、最高裁判所において、初めての法令違憲判決が下されたのです。
大貫大八弁護士はこの判決の前にお亡くなりになられたそうで、
とても残念なことです。
こんなにすばらしい人権弁護士さんがいらっしゃったのですね。。。
ひどい事件ですが、深い感銘を受け、わたしも好きな違憲判決です。
でも、、、、O先生とわたしでは好きなところが違うみたいです。