福岡の行政書士加藤清正です。福岡県行政書士会会員。当事務所は相続・暮らしの問題や、債権債務など、相談に親身に丁寧に対応します。

行政書士:加藤清正事務所

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相続問題

遺産分割のこと

今日は気分が重く、憂鬱な一日でした。

そんな日に似合わず、遺産分割協議という結構シビアな
仕事をしました。
兄弟3人で、父親が亡くなられたため、遺産相続の問題
が起きました。
相続財産は、実家の家土地と預貯金、株その他、総額
1億円程度です。
当初は分割の割合や方法で結構もめましたが、最後まで
父親の介護をなさった方が譲歩され、その結果全員が納得
する形で協議が整い、大変うれしい結末でした。

相続不動産の評価も結構馬鹿になりませんし、預金、現金
など、意外なくらい相続財産は残っているものです。
私のように、自信を持って「無資産」といえる立場であれば
別ですが・・・・

相続の決め手は、生前に「公正証書遺言」を残すことに
つきると思います。実際に公正証書のとおりに相続される
ケースばかりでもありませんが、やはり、公正証書遺言が
あれば、お手伝いする側の私たちも安心です。
特に、特定のどなたかに、法定相続分以上の割合で財産を
相続させたい場合、或いは内縁関係の奥さんにも財産を
残したい場合など、重要なポイントになります。
又、不動産登記などは、この公正証書遺言だけで登記手続
ができます。

お忘れなく

相続放棄手続について考える

相続放棄について考えてみました。多少長くなりますが
全文を一気に掲載します。興味のある方は、是非お読み下さい。
ご意見やご感想など、お寄せいただければ幸いです。

その 1

相続といえば、財産がある場合だけで、うちには何も
財産がないから関係ない、という人のために・・・

相続はプラスの財産ばかりの話ではありません。
亡くなった方の借金も、立派な相続財産です。借金ならば
亡くなった時点である程度把握できているでしょうが、保証債務
となると、亡くなったご本人でさえ、忘れていることがあるでしょう。
でも、ある日突然、相続人であるあなたに督促状や、裁判所の訴状が
届くことがあるかもしれません。

そんな場合、どうしたらいいか?
『相続放棄』という手があります。
ただし、これには『相続発生後3ヶ月以内』という手続の期限があります。
もちろん場合によって、家庭裁判所に届ければ、この期間を延長する
ことも可能です。
しかし、実際には、借金や保証のことに全く気づかずに1年、2年と時間
がたってから、さて、とんでもないことになった・・・という話が多いのです。
当然に、いわゆる相続発生の時からは3ヶ月以上が経過しています。
さて、どうしましょう。
被相続人、つまり亡くなった方が親、兄弟など身近な方であれば、
葬式もあれば、法事もあるわけですから、死亡の事実は十分承知
していますから、その後で借金が判明したからといって、
いまさら相続放棄の手続などできないのでしょうか。

その 2

ここで関係してくるのが、民法915条の「自己のために相続が
あったことを知った時期」ということが問題になります。

私は、無いと信じ込んでいた借金や保証債務が突然判明したときが
いわゆる「自己のために相続があったことを知った時期」だ、と考えます。
実務上、そのように判断される場合が多いと思います。私のところでも
過去、何件も、このようなケースで相続放棄が認められた事例があります。
しかし、今回、下記のような事例が発生しました。

A,Bは5年前に父を亡くしました。実家は父の所有でしたが、今は
母が一人暮らしです。住宅ローンは多少残っていますが、母の年金で
支払える程度であり、A,Bともに当面実家を相続する気もないため、
相続手続は一切行わず、亡父の名義のまま放置されています。
ところが、亡父は友人Xの借金3000万円の保証人となっており、
家族はその事実を知りませんでしたが、そのXが破産し、突然保証会社
からA,Bに対し、亡父の保証債務を相続した相続人として、Xの借金を
代位弁済せよ、という通知が届きました。もちろん母親も亡父の配偶者
ですから、請求はきました。
そこでA,B、母親は残された土地建物を処分して債務を返済すること
にしたのですが、それでもまだ返しきれないほどの保証債務が残ります。

この件では、父親が死亡してから既に5年が経過し、いわゆる『3ヶ月』
は既に徒過していますが、私は、保証会社から通知が来た日を『相続発生
のとき』と考えて、Aさん、Bさんについて相続放棄申述を提出しました。
しかし、管轄の家裁の結論は、Aさん,Bさんともに、父死亡時に住宅の
存在と住宅ローンの存在を知っていた、という理由で申述を却下しました。

その 3

最高裁の判例でも、確かに被相続人死亡時に全くの無資産であった場合には
その後の債務発覚に関して、3ヶ月徒過後の申述を認めています。
つまり積極財産、消極財産のいずれも存在しなかった場合にのみ、期間経
過後の債務発覚に対する相続放棄申述を認める、ということですが、
実際上、父親の死亡後に若干の不動産と借金が残されたケースで、すべて
母親が受け継ぐ、という暗黙の了解の元に相続登記は何もやっていない、という
事例は多いと思います。私の事務所であった過去の事例もそうでした。

相そもそも続放棄という制度の法的趣旨は、相続人が、残された被相続人
の債務で苦しまないように、というものだと思います。
つまり、相続放棄は国民の権利の保護の為の制度であり、基本的人権に
基づく制度であると思います。
その趣旨から見れば、知らなかった債務 ― 当然知っておれば相続
することのなかったマイナスの相続財産 ― が突然発覚したとすれば、
発覚したときが『自己のために相続があったことを知った時期』である
と、考えてよいのではないでしょうか。

私は、Aさん、Bさんに、管轄家裁の審判に対して、即座に抗告の手続
をとるよう勧めました。
しかし、高裁の判断も、同一のものでした。

この事例における問題点は、父が死亡したとき、父の保証債務については
全く知らなかったとして、既にさん,Bさんは不動産及び住宅ローンの
存在については知っていた、ということでしょう。
しかし、その時点では、残された不動産、つまり積極財産の評価は
借金(住宅ローン)つまり消極財産を上回っており、その相続財産は
母のもの、という暗黙の認識があったのですから、いわば『黙示の
相続放棄』と表現しても過言ではなかったと思います。

このケースで相続登記を行うとすれば、書類上どのような形式で進めると
しても、つまりはAさんもBさんも、相続する意思がない旨、法務局に
表明するわけですから、実際にその後、父親の保証債務が判明したとして、
あらためて相続放棄を行うことは妥当であり、合理性があると思います。
相続放棄の制度趣旨から考えても、矛盾も違法性もないはずです。

一旦プラスの財産を相続した場合であれば、その後マイナスの相続財産が
判明したからといって、恣意的に、さかのぼって相続放棄を行うことには
問題があるとは思います。
しかし、本件では、A,Bともに実質的には相続手続を行っていない状況
だと考えられますから、債務発覚後の相続放棄は適法である、と考えられ
るべきではないでしょう。

この問題については、AさんもBさんも、最高裁に特別抗告されるそうです。

相続ものがたり 「印鑑をもらうということ」

相続ものがたり 『印鑑をつくこと』

相続手続の仕事を長年やっていると、相続の究極とは
それは相手から無事に印鑑をついていただくこと、に尽きる
ような気がします。

何年前になるか、印象に残る出来事がありました。

ちょうど島原が噴火で大変だった頃の思い出です。
ご相談者は雲仙岳の麓にお住まいの方だったと思います。
ご親族が東京に住んでいて、しかも東京は山の手、故郷を
離れて数十年、いまや飛ぶ鳥を落とす出世だそうだけれど、
何度頼んでも印鑑をついてくれない、連絡してもナシのツブテ・・
何とかして欲しい、という依頼でした。
相続財産は、田舎とはいえ、時価数千万の不動産と、そこそこの
預貯金だったと思います。

やっと連絡がついて、私と会ってもよい、とのことで、
私は上京しました。山の手の高級住宅を目指して・・・

ところが、尋ねた家は、山の手にあるボロアパートの一室でした。
年の頃70か75才くらい。少し猫背で小柄な老人は、
私を相手に思い出話を始めました。
母一人子一人の雲仙暮らしは悲惨でした。
貧乏だけならまだ我慢できた・・・老人は語ります。
本家の坊ちゃんから学校の行き帰りには竹棒でたたかれ、
夜ごと陋屋の屋根に石を投げられたそうです。
石が屋根瓦を転がる音が、何度も何度も悲しく聞こえました。
時には食べるものさえない貧し暮らしの中、母が亡くなり、
彼は追われるように故郷を捨てました。
以来数十年、一度も郷里には帰ったことはなかったそうです。

いまさら本家の相続がどうなろうと、一銭たりとも
もらおうとも思わないし、協力する気もない・・・
老人は背を丸めてそう語りました。

最終便を予約していた私は、判断を誤ったことを後悔しました。
だって、もう6時を過ぎ、どう考えても、印鑑証明をいただくにも、
役所はもうしまっているはずです。
印鑑を押してもらおうにも、老人の話はあまりにも悲惨でした。

山も手とはいえ、一人暮らしの老人の暮らしは貧しく、数千万円の遺産は
老人の暮らしを考えると、放棄を迫るには重すぎました。

じゃあ、又明日伺います・・と言いかけたそのとき、
老人は、茶箪笥から封筒を出してきたのです。
中には実印と印鑑証明書が1通・・・

そのあと老人は、こう言いました。
「いままで一度も話すことのなかった私の心を
今日は全部しゃべることが出来ました。何十年の思いを
聞いてくれて、こんなうれしいことはありません」
そして、老人の言葉は続きました。
「あなたは、私の印鑑が欲しかったのでしょう ?
ちゃんと最初から用意していたのですよ。今日はありがとう」

私は涙がとまりませんでした。

今も、あの日の老人の温顔を思い出し、涙を浮かべながら
この原稿を書いています。

遺産相続の相談には、どんなヒアリングを?

◆まずは「不安・絶望」の正体を明らかに

どのような問題の場合でも同じですが、相談者(依頼者)が困っている問題は何なのか、どうすれば依頼者が安心できるのかを考え、ヒアリングしていきます。

大半の相談者(依頼者)は、眼前の問題について漠然とした不安感や絶望感にかられて、眠れなかったり、仕事が手につかなくなっている場合がほとんどです。痛みや苦痛により人は病院に駆け込みますが、診断を受けるまで、一体どのような原因で、何の病気にかかっているかは、患者にはわかりません。ですから、私たちが皆様のご相談を受けるということは、ドクターの診断と似ているかもしれませんね。

◆負の遺産を相続してしまったら

とくに相続の問題に限って言えば、まずは亡くなった方が債務を残しているケースが多いようです。
この場合は相続放棄という手続を考えますが、それは相続開始後3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要がありますので、故人がいつ亡くなったのか、死亡後3ケ月を超えていないか。或いは債務、保証債務が判明してから、どのくらい期間が経っているか、が大切ですね。

次に、故人が不動産を所有していたかどうか、生命保険はどうであったか、と、お尋ねすることが続いていきます。

◆財産相続は近視眼的に処理しない

逆に、相続財産が有る場合ですと、資産の程度や相続人の人数など、相続税が発生するかどうか、次に、遺産分割協議がまとまるかどうか、が気になりますね。

相続税が予想されるケースですと、相続人の皆さんがどのような遺産分割案をお持ちなのか、相続税の負担について、どのような方針なのかを聞き取りし、税理士チームが参加します。このような場合には、目先の相続税を安くすればいい、という近視眼的な対応で処理しますと、二次相続,三次相続の場合に苦労することになりますから、やはり慎重に準備を進めます。

◆その遺言書は大丈夫ですか?

又、当然ですが、遺言が残されているかどうか、残されていれば、公正証書遺言か、そうでない普通の遺言かどうか、も気になります。不動産や、他の資産がたくさん遺されているケースでも、公正証書遺言できちんと故人の遺志が書き残してあれば、心配はありません。

◆相続を「争続」にしないために

これも大事なことですが、故人にお子さんや配偶者がいらっしゃらないこともよくあります。その場合は、兄弟姉妹、あるいはその子供達が相続人になりますが、全く無関心な相続人がいたり、逆に権利意識の大変に強いかたがいらっしゃったりすると、お世話をする立場としては、大変に苦労することもありますね。私の扱った事例でも、縁の遠いご親戚のかたの協力が得られず、相続手続に3年もかかってしまったことがあります。

◆まずはヒアリング(無料)から

とにかく、どのような問題、いかなる場合でも、私の仕事はヒアリングからはじまります。

お世話になったベテランの弁護士さんが、10万円程度の金額のもめ事の相談で、依頼者の説明を3時間近くにわたって、じっくり聴いていたことがありました。そのようなヒアリングが誰でも出来るとは思いませんし、私自身、難しいとは思いますが、3時間とは言わなくとも、相談者が安心するようなヒアリングだけは心がけているつもりです。

以上、ご覧いただきありがとうございました。

加藤事務所への相談は・・・
コチラ(メールお問合せ)か電話(092-281-7683)までお気軽にどうぞ。

行政書士・加藤清正

相続放棄 間に合って良かったですね

Aさんへのお返事メール

お返事いただき ありがとうござました。
いろいろ大変だったようで、ご苦労様でした。

いずれにしても、相続放棄手続が間に合って よかったですね。
相続が発生しているのに預金を下ろしたりするのは
良くないですね。
どなたかが亡くなったことを伏せたまま、通帳や印鑑を持った
第三者(勿論銀行では顔パスで通るくらい認識されている
方でしょう)が被相続人の預金を引き出す、等と言うことは
結構多い話です。
私自身、父が亡くなったとき、身内が預金をすべて引き下
ろしていました。私は専門職ですから、当然その相手方を
訴えましたが、訴訟は2年間かかり、結局三方一両損みた
いな 曖昧な和解で落ち着いてしまい、その後その身内とは
全く縁が切れてしまいました。
その昔、母方の実家の相続手続の際、亡くなった母が残し
てくれていた不動産があったらしいのですが、是非に、と
頼まれ、簡単に実印を押してしまったことがあります。
当時私は那珂川町の恵子というところに、比較的広い土
地と自宅があったので、何の執着もなく、相続放棄をして
しまいました。
今考えたら、折角私のために母が残してくれたであろう不
動産を、騙されるように簡単に放棄したことは悔やまれます。

相続手続というものは、いつも 何かしら思いの残るものです。
だから、3年も 5年も争うような話も多いわけですね。

いずれにしても、結果的に、一番良い形で終わった・・・そう
考えましょう。

私の大好きな言葉を 最後に 書いてみます。

「どんなことでも 『よかった』と思うことにしています。
そうすると
ほんとうに『よかった』という
結果になるから不思議です(ひろはま かずとし)}

・・・この言葉は 私のデスクの真ん前に、いつもおいています。

2009/6/6
加藤清正

最近の出来事

昨年末から ごく親しい方が亡くなり、相続手続をさせていただきました。
預貯金、保険、不動産と、ごく普通ですが、それでも、そこそこの相続財産
がおありでした。年金もあり、残された奥様の生活には不安はありません。
ただ、その方の場合、相続人である奥様の記憶力が衰えており、又、その
方の周囲に、多少なり財産を狙っていると思われる知人が いつも周囲を
とりまいている、というところが 大変手続を進めにくいところでした。
手続の間中、ほぼ毎日、2度3度と電話が入り、ときには「お友達」と称する
第三者が 手続の進捗状況、報酬がどうなるか、などと私に詰問をする、
という具合でした。お友達は、奥様に金を貸しているから、相続財産から
返済してもらう予定だ、等と言っていましたが、その奥様の暮らしは裕福で、
人から金を借りるような必要はないし、事実、本人に確認したところ、一切
他人から金を借りたことはない、と言っておられました。
後見人の手続も考えましたが、親族は、私に後見人になるよう勧められる
状況で、どなたも後見人を受けていただける方はいません。
結局、相続財産はすべて、奥様一人が相続される形で遺産分割協議が
まとまりましたので、後見人が立たなくても、利益相反の心配もありません
でしたから、そのまま手続を進めました。
保険会社の担当の方も、銀行の担当の方も好意的で、無事手続を終えるこ
とができました。
親族の方に立ち会っていただき、通帳、権利書(登記済証)、その他一切
の受け渡しを終えたのですが、それでも、毎日のように、奥様から電話が
入ります。曰く、友人が手続のことを心配してくれている・・・、保険の手続き
を早くしないと契約が失効する・・・、皆、お友達が心配してくれているから
・・・、という話です。

奥様の周囲の知人、友人と称する方達を 一概に疑ってかかることは慎む
べきだと思います。又、物忘れがひどい、というだけで被後見人にしてしま
うことも、問題があると思います。ただ、相続手続は無事に終わったけれど
この先の奥様の人生が安泰で、幸せになるためには、どうお世話してあげ
ることが 一番ふさわしいのか、考え込んでしまいます。

これからは核家族化がすすみ、高齢化もすすむ事を考えると、このような
問題も増えていくのでしょうね。

独白・・・

相続いろいろ

相続手続のお手伝いをさせていただくようになって、17年経ちます。
短いような、長かったような、この17年の間に、いろいろの方のお手
伝いをさせていただきました。

相続人がたくさんいらっしゃり、中には葬儀にも、法事にも出席せず
亡くなった方の顔も知らない、という相続人が、自分は相続人ではな
いから、相続手続から除外して欲しい、印鑑も署名も断る・・・という方
がいらっしゃり、そのために手続が3年かかった、ということもありまし
た。

又、相続財産はごくわずかの預貯金と、亡くなった方のご自宅で、
相続人は30人以上いらっしゃり、法定相続での金額がおひとり数十
万円、というケースで、相続人のみなさんが手続に全く関心がなく、
調停にもご出席なさらず、お世話をなさるご親族の方がお一人で汗
を流し、しかもそのご親族自身の交通費や雑費の出所もない、という
ケースもありました。

逆に、相続財産がかなりの額にのぼり、遺産分割が無事にまとまる
か、とても心配したケースで、ご親族の皆様が大変暖かく、とても
気持ちよく遺産分割協議がまとまったケースもありました。
本当に、相続風景はさまざまです。

相続という制度は なかなか難しくもあり、又感動のドラマも秘めてい
ます。

相続・・・・
私は死んで、一体何を残すことができるでしょうか。
虎は死して皮を残し、人は死して名を残す、といいます。
名前は、ご本家の「加藤清正」さんはメジャーですが、私など、名を
残すことなど遠い話です。かの西郷隆盛は「死して子に美田を残さず」
と語ったそうですが、私は、「美田を残さず」ではなく「美田を残せず」
です。
「残さず」、と「残せず」の この差は大きいですね。

今日は 思わず本音が出てしまいました(苦笑)・・・・。


相続 遺言のことー 残念な想い出(1)

行政書士加藤清正事務所(福岡)

相続 遺言のことー 残念な想い出(1)

3年前のこと、電話で遺言書作成のご相談を受け、早速お目にか
かりました。
その方はご病気で、さほど長くない命を悟っておられ、ご自分の
財産をすべて あるNPOに寄付したい、とおっしゃいました。
私が遺言執行人になって欲しい、とのお話でしたので、早速公証
役場で公証人さんと打ち合わせを行い、遺言書の原案を作成した
のですが、私が遺言執行人としてNPOの為の相続手続を行う、
との部分について、そんなことは頼んでない、と、つむじを曲げ
てしまわれました。
その方のお話では、遺言執行人たる私は、ただ単に、NPOの方
に不動産の権利書(登記済証)を手渡し、ひきついでくれれば結
構。他の相続人が権利書(登記済証)を持ち去らないよう、その
管理をお願いしたい。登記手続など余計なお世話・・・とのお怒
りでした。

筆者プロフィール

相続 遺言のことー 残念な想い出(2)

相続 遺言のことー 残念な想い出(2)

遺言執行と登記手続のお話ですが、登記手続は不動産の権利者
(持ち主)の印鑑証明や署名捺印が必要です。しかし、相続手続
の場合、持ち主は亡くなっておられますから、当然に相続人さん
の署名捺印、印鑑証明書が必要です。
しかし、このお話の場合、他の相続人さんが、相続財産である不
動産を、いくら故人の遺志とはいえ、全く第三者であるNPO法人
への所有権移転相続登記に協力していただけるかどうか、わかり
ません。特に、他のご兄弟とはほとんど交流のない、独身の女性
でした。

相続 遺言のことー 残念な想い出(3)

行政書士加藤清正事務所(福岡)

相続 遺言のことー 残念な想い出(3)

しかし遺言執行人の立場は、相続手続における代理人としての
権限があり、登記手続も遺言執行人単独でできるのです。
そのため、私は公証人さんと打ち合わせを行い、そのような遺言
書を作成しようと考えました。遺言執行人として相続手続を間違
いなく進め、他の相続人からの関与を排除して、NPOへの登記
手続を行うには、この方法しかありません。
NPOとしても、単に不動産の権利書(登記済証)の現物をもら
ったとして、不動産を相続できる訳ではありません。かといって、
その段階で、他の相続人から相続手続の印鑑や、署名・・・等
といっても、相続人が簡単に承諾しない可能性が強いと思われ
ます。
結局私には遺言作成手続をさせていただけませんでした。
その後、亡くなられた、との噂を耳にしました。

もっとよくご説明さしあげればよかったのでは・・・
他に信頼していただける方法があったのでは・・・
今も心にかかる想い出です。

筆者プロフィール

遺産分割協議顛末 大阪・奈良

行政書士加藤清正事務所(福岡)

相続人さんのお一人が神戸にお住まいと聞き、早速お手紙を差し
上げました。相続財産のすべてを、残されたお子様に相続させ
たい、との被相続人のご遺志で、不動産、預貯金のすべてをその
お子様(と言っても それなりに大人の)へ譲り渡す、という内
容だったのですが、とても快くご了解頂き、大阪市内某所で面会、
分割協議書に署名、捺印をいただくこととしました。
その日、朝早く事務所を出て、JAL便で伊丹に向かいました。
お目にかかった相続人さんは、ご年令こそ私より多少上(?)で
すが、私が敬愛する吉永さゆりと岩下志摩を足して2で割ったよ
うな美しい方でした。

それで、
件の遺産分割協議でのご婦人とのお話は、ほんの1時間ほどで完
了、帰途は最終便を予約していましたので、足をのばし、奈良に
出向きました。

筆者プロフィール

遺産分割驚異気 大阪奈良(2)

行政書士加藤清正事務所(福岡)

JRに乗り込み、奈良駅から再びバックして法隆寺駅に向かい、
タクシーに乗り換えて、法起寺を尋ねました。
修学旅行生や観光客でわきかえる法隆寺とは又ひと味もふた味も
違い、法起寺は観光客の姿もなく、「静謐」という言葉が相応しい
古刹です。ひとり飛鳥の昔にタイムスリップし、しばし現世の桎梏
を忘れたひとときでした。
法起寺から法隆寺までは斑鳩の長閑な風景を楽しみつつ散策・・・
と言いたいのですが、痛む足をひきづりつつ、3,40分ほどで
夢殿にたどり着きました。救世観音には感動したものの、実はレプ
リカだ、と聞いて、何となくありがたみが薄れてしまい残念。
ただ、法隆寺の裏手から夢殿に向かう路地、崩れかけた築地の角
に何気なく祀ってある小仏や民家の玄関に佇む石仏が素敵で、すば
らしい一日でした。

相続のお手伝いは、いつも こんなに素敵な一日になるとはかぎ
りませんが・・・。

筆者プロフィール

相続放棄 なんでも相談

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続放棄について その1

相続手続のなかでも 特に大切な「相続放棄」について
すこしお話ししたいと思います。

相続手続のなかで よくあることですが、不動産をだれか
特定の相続人(例えば長男)がすべて相続するので、あなたは
放棄してください、借金もこちらで手続します・・・などと言われ、
書類にハンコを押して、印鑑証明書をつけて お世話をされる方
に渡したから、財産も借金も、自分には関係ない・・・
というケースがあります。

しかし、いわゆる財産はお互いの話し合いで、どのような分割
方法でもできますが、借金=マイナスの相続財産は相続人の間
でお互いに取り決めをしても、それは何の意味も持たないのです。

このような場合に登場するのが、いわゆる「相続放棄」なのです。
この「相続放棄」は 相続が開始されてから3ヶ月以内に、家庭
裁判所に 私は相続を放棄します、という申し出をしなければな
りません。この手続を「相続放棄の申述」といいます。


では、どうやって、どこの家庭裁判所に 何を出すのか ?
相続が開始されて3ヶ月以内 とは 一体どういう意味か・・・?

このお話しは 少し長くなりますので、何回かに亘って ご説明
します。
私が経験した実際の体験も お話し致しましょう(前にもお話し
したことがありますが・・・)。

筆者プロフィール

相続放棄  何でも相談

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続放棄について その2

借金や保証など、いわゆる「負の相続」について・・・

私がお世話させていただいた方の事例ですが、幼い頃
父母が離婚し、母に引き取られて成長した男性のケース
です。
ある日父が死亡した、との連絡が 顔も見たことのない
親戚と称する方から連絡が入り、ついては自宅不動産
と多少の債務が残されており、これを再婚した後に生ま
れた弟(会ったこともない)に継がせたいから相続を放棄
して欲しい、とのことだったそうです。
借金についても あなたの放棄手続はこっちでやるから、
と言われ、求めに応じて書類に署名捺印し、印鑑証明書
をつけて送り返したそうですが、その後2,3年して、父が
住んでいた関東方面の県の信用保証協会から、相続人
であるあなたに父親の債務の返済を求める、という手紙
が届き、驚いて私の事務所に 相談にみえました。

私は 相続手続を行った親戚宛てに、内容証明書で遺産
分割協議取り消しを通知し、その上で、保証協会からの
通知が届いた日を相続開始の日として 家庭裁判所に
相続放棄の申述をいたしました。

その結果、相続放棄は認められ、相談者の悩みは解決
いたしましたが、やはり相続手続については、慎重な上
にも慎重に進めたいものですね。

では又。

筆者プロフィール

 相続 母が残してくれた思い

行政書士加藤清正事務所

「相続」 母が残してくれた思い

幼い頃父母が離婚し、私は母がいつ亡くなったのか、いまも
知りません。日頃から相続手続きで人様のお世話をしていま
すから、調べればわかるのでしょうか、紺屋の白袴 というか
自分のことは後回しです。
そんな母の思い出話があります。

何時の頃だったか、もう何十年も昔、母の実家から顔も知ら
ない親族が私を訪ねてきました。母が残した実家の不動産が
あるのだが、売却処分する必要があり、書類に署名捺印して
ほしい、ということでした。

私の貧乏は、今や知る人ぞ知るところですが、当時は多少の
財産もあり、人に頼まれれば 何でも イヤとは言えない性格
ですから、もちろん すぐに書類を書いて、実印も 印鑑証明
書も お渡ししたのですが、今 自分が相続手続で人様のお
手伝いをさせていただく立場になって考えてみますと、当時
なくなった母が残してくれた不動産には、離婚して別れ別れ
になった子供(つまり 私 )の将来のためを思う母の真心が
こもっていたのだと思います。

別に財産に執着するわけではありませんが、亡き母の真心
に対して一片の思いもなく 書類にハンコを押してしまった
軽率さが悔やまれてなりません。

今 日々の仕事の中で大切にしたいのは、人と人の「思い」
です。亡くなった方の思い、残された方々の思い、人生の曲
がり角で悩み、苦しむ方々の思い・・・

先日、NHKのプロフェッショナルに登場された弁護士の村松
謙一先生にお目にかかる機会があり、村松先生の依頼者に
対する「思い」には あらためて感動いたしました。私も、村松
先生には遠く及びませんが、「思い」を大切に、仕事をしてゆき
たいと思います。

筆者プロフィール

遺言、相続について(最近の週刊誌から)

行政書士加藤清正事務所 福岡

週刊文春(12月9日号)を見ていたら、遺言相続について、なかなか
良い記事が出ていましたので、下記に転載いたします。

『財産が少ない人ほど必要?遺言書作成が密かなブーム』

 中高年の間で遺言書作りが密かなブームになっている。「昨年六月
に発売した『遺言書キット』は、わずか一カ月で三カ月分の予定数量を
完売。今年九月には累計五万冊を売り上げました」(コクヨビジネスサ
ービス・広報部)
 ブームの背景には、相続トラブルの急増もあるようだ。
「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は、昭和60年は1035件
でしたが、昨年は2073件と二倍以上になりました」(社会部記者)
「うちには財産なんてほとんどないから大丈夫!」というワケにはいか
ないようだ。
「最もトラブルが多いのは、自宅とわずかな預貯金しかないという家庭。
富裕層は、日常的に弁護士などと接する機会が多く、しっかりした遺言
書を残したり、生前贈与を行っていて、逆にトラブルは少ないんです」
(遺言相談の専門家・佐山和弘行政書士)
 前出の記者が続ける。
「昨年度の遺産分割事件の認容・調停成立件数を見ても、遺産額が五
億円以上のケースはわずか46件ですが、一千万円以下は2291件と
約50倍です」
 ある看護師も言う。
「最近、患者さんがご臨終を迎えた途端、遺族が枕元で『貯金は俺の
ものだ』『家は私がもらう』と争い始めることが多い。時には数万円の話
で大ゲンカになることも」
 このようなことにならないためにどうすればいいのか?
「強い効力を持つ公正証書遺言を作成しておくことです。とくに子供がい
ない夫婦で自己所有の家を持っている場合は必須です。たとえばご主
人が亡くなった場合、そのご兄弟も相続権を主張することがあります。
すると、残された奥さんが家に住めなくなってしまうこともある。その点、
公正証書遺言に『家は妻に残す』と記しておけば、それまで通り住み続
けることができます」(前出・佐山氏)
 だが、行政書士や弁護士の事務所は敷居が高い。そんな人のために
こんな企画も。
「行政書士や心理カウンセラー、税理士、文章のプロなどの指導のもと、
名湯に浸かりながら一泊二日か二泊三日で遺言書を作る『遺言ツアー』
を開催しています。次回は来年三月の予定です」(プレス・サリサリコー
ポレーション)
 立つ鳥跡を濁さず、といきたいところだ。         (岡崎博之)

以上、週刊文春(㈱文藝春秋)平成22年12月9日号 51ページより
転載です。

もはや相続手続きや遺言作成が一部の富裕層だけのおのではなくなっ
ているようですね。現場にいる私たちも そのように感じております。実
際、私の事務所で御相談を受ける事例でも、相続財産は自宅と多少の
預貯金、という場合が多いようです。
「行政書士や弁護士の事務所は敷居が高い」といわれて、多少面はゆ
い気分ですが、少なくとも私の事務所は「敷居」が低いこと おびただし
いようですので・・・念のため。

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相続 印鑑がもらえない 

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続 「印鑑がもらえない」

相続手続のなかで最も苦労するのが遺産分割協議です。
相続人の署名、捺印、そして印鑑証明書をいただくことです。
私の経験でも、様々な理由や事情で、印鑑をもらえない、
印鑑証明書をいただけない、ということが何度もありました。
日本は何事に依らず、印鑑や印鑑証明書が極めて重要です。
瀬は、何故相続手続がもめるのでしょうか、印鑑をもらえない
ケースとは どのような場合なのでしょうか。

最も多い理由は、遺産分割の条件が不満足、というケース
次に、余計なわずらわしさに関わりたくない、というケース
そして、実印や印鑑証明書を求められることに対する警戒感
といたところが多いと思います。特に、相続手続の場合は、
公正証書いごんによる不動産登記の場合は別として、
不動産登記でも 銀行手続でも 必ず実印、印鑑証明書が
必要です

では実際に、そのようなケースでは どうすればよいか。
私は、お話し合いが難しい場合には家庭裁判所に調停を申し
立てます。或いは既にもめてしまっている場合は審判、という
ケースもあります。
調停の場合は家庭裁判所の調停委員が相続人間の調整を働きかけ
てくれます。審判であれば、いわゆる裁判のようなもので、
裁判官が結論を出してくれます。いずれも多少時間はかかり
ますが、私は 良い方法だと思っています。
私の経験で 最も長くかかった調停は 申立から3年・・と
いうケースがありました。
各相続人の思惑、過剰期待、逆に無関心・・・なかなか相続は
難しいと思います。

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相続 印鑑がもらえないⅡ 住居表示と登記上の所在地

行政書士加藤清正事務所 福岡


相続 印鑑がもらえないⅡ
不動産の表示が住居表示の場合

相続手続で最も困るのが 印鑑がもらえない、という場合です。
相続財産と言えば、まず土地建物、そして預貯金が最もポピュラー
です。しかし、いずれも相続人全員の署名捺印、しかも実印と
印鑑証明書 というのが鉄則です。
これがいただけないばっかりに 2年かかった 3年かかった、
あるいは5年たったのにまだできない、などといったお話が多いのです。

このようなトラブルを回避するための「錦の御旗」が公正証書による
遺言書です。少なくとも不動産に関する限りは、この公正証書遺言
があれば、その遺言書により不動産の相続登記ができるのです。

普通の遺言書(本人が手書きで作る自筆証書遺言)でも、裁判所で認め
てもらえば登記は可能です。この手続を「遺言書の検認」といいます。
ただここで大事なことは、遺言書に記載される不動産が 登記簿謄本
に記載されたとおりの表現でないと、登記には通用しません。
つまり、日本の住居表示、例えば○○町1丁目1番地 という住居表示
は、不動産登記で用いられる所在地表示とは異なる場合が多いのです。
不動産登記上の所在地は 法務局で登記簿謄本を調べるか、市役所から
送られてくる固定資産税納付書を見ればわかります。公証役場で遺言書
を作る場合は、この点非常に慎重です、逆に言えば、登記に使えないような
遺言書は作りません。
しかし、個人で遺言書を書く場合には 住居表示と登記簿上の表示は大変
間違いやすいところです。

もし不幸にして間違った遺言書が残されていた場合は、私だったら、遺言書の
趣旨に添った内容で遺産分割協議書を作りますが、結局実印、印鑑証明書、と
いう話になってしまいますね。

印鑑、遺言書については 又書きます。

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相続放棄  そこが聞きたい

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続放棄 『そこが聞きたい』

相続放棄について よくお尋ねをいただきます。相続放棄は相続開始
後3ヶ月以内に相続が開始された場所を管轄する家庭裁判所に申し述
べること・・・つまりこれを相続放棄の申述、というのですが、そのこと
については みなさんは大体御存知のようですので、今日は、実際に
相続放棄の申述を行う場合に必要となる基本や書類について、簡単に
まとめてみましょう。

① どこに書類を提出するか

  なくなられた方の住居地を管轄する家庭裁判所です。
  申し立てる方の住居地の家庭裁判所ではありません。

② どんな書類が必要か

  基本的に なくなられた方とご自分との関係を証明する戸籍記録です

* なくなられた方の戸籍謄本と住民票
* ご自分の戸籍謄本と住民票

③ なぜ相続放棄を行うかの理由を説明する必要があります

  正確な資料やデータまではいりませんが、相続財産より債務の方が
  多いから、或いは 相続する意思がないから など 合理的な説明が
  できる程度には 把握しておきましょう。財産、債務の状況も わかる
  限り 把握しましょう。でも わからなければ それはそれで 大丈夫
  です。

④ そして、「相続放棄の申述書」という書類ですが、これは家庭裁判所に
  行けば 相談に乗ってくれます。

なくなられた方が配偶者や親ではない場合には、戸籍記録も多少ややこ
しくなることもありますが、基本は一緒です。

被相続人死亡後3ヶ月を過ぎてから申述をする場合などには、他にいろ
いろな書類が必要になる場合が多いのですが、基本はこのようなところ
です。
わからないところがあれば、お気軽にお尋ね下さいね。
では又・・・

by 加藤清正(清允)でした。

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自分でできるか 相続放棄 

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続放棄あれこれ 自分でできるか『相続放棄」』

割とよくお尋ね頂くのが、相続放棄手続は自分でやれますか、
ということです。今日は そのあたりのお話しを一席・・・

基本的に 相続放棄の申述手続きはご自分でできると思います。
少なくとも 多少のアドバイスを受ければ 十分にできます。

まず戸籍謄本や住民票など、必要な書類をそろえる。

相続放棄申述書を書いてみる。

認め印を持って家庭裁判所に行き、確認を受けてから提出する。

つまりは 以上の段取りを進める ということです。

そんなに簡単だったら、なぜプロが必要なのですか、という疑問が
でてきますね。それは、内容によっては複雑な判断を必要とする
こともあり、もっと一言で言えば、イタリア料理でもフランス料理でも
料理の得意な人ならば、レシピを見れば、結構おいしく作れたりし
ますよね。でも、やっぱりプロの味はプロのものです。
例えは あまりよくありませんが、そのようなものかも知れません。


でも大丈夫。ご自分で手続をしてみよう・・・そう思われたら、お電話
ください。結構頼りになりますよ。

加藤清正(清允)でした。

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財産放棄(相続放棄)と債権回収

行政書士加藤清正事務所 福岡

相続放棄シリーズ
『財産放棄と債権回収』

相続放棄手続を考える ということは、早い話、亡くなった方が
プラスの相続財産を越える債務を負っていた、ということです。

ということは、裏返して言えば、その方が亡くなり、相続人が相続
放棄をなさったことにより、債権が焦げ付いた方がいらっしゃると
いうことです。

さて、そうしますと、相続放棄されてしまった債権者は もう債権の
回収はできないのでしょうか。
この場合、亡くなった方が 生前どの程度の財産をもっていたか
ということが一番の問題です。  何も財産をお持ちでない方の
場合であれば 残念ながら、債権の回収は無理だと思います。

しかし、多少なりとも相続財産をお持ちの方だったならば、そして
相続人が皆さん相続放棄をなさっていれば、家庭裁判所に申し
立てて『相続財産管理人』をえらんでもらいます。
その上で、管理人に対して ご自分の債権を届け出ることになり
ます。
この手続きは、やはり専門家に相談されるほうがよいでしょうね。

「相続財産管理人選任申立」は私も経験がありますが、手続き
が煩雑で、とても時間がかかります。しかし、その必要があれば
けして不可能な道ではありません。ご相談ください。


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